遺言書が無い場合、相続が始まると亡くなった方の財産はひとまず相続人全員の共有の財産となります。

その共有の財産を、相続人同士で話し合いで分け、各相続人の意思を書面にしたものを遺産分割協議書といいます。

遺産分割協議書は相続を証明するため相続人全員の署名かつ実印が必要です。

遺産分割は必ず相続人全員の参加がなければ効力がありません。

遺産分割の方法について

遺産の分割方法は以下の3種類があります。

家
現物分割

遺産を現物のままわけること

(例)長男は伊丹市の土地 次男は川西市のマンションを相続

代償分割

相続人のうち一人又は数人が土地などの現物を取得し、他の相続人に対してはその相続分を自分で財産から支払うこと

(例)長男が3000万円の西宮市の土地を相続し次男には長男が相続分を金銭で支払う

換価分割

相続財産を売却してその売却金額を相続人でわけること

(例)相続財産である神戸市のマンションを売り代金を相続人で分ける

特別受益者について

共同相続人の中に被相続人(亡くなった方)から遺贈や婚姻、養子縁組もしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その相続人を特別受益者として相続において冷遇します。
例 被相続人(亡くなった方)の相続財産が5,000万円で長女と次女が相続人

長女は被相続人の生前に結婚費用500万円の贈与を受けている

指定なしの場合2,500万円ずつの相続となりますが、これだと贈与を受けていない次女と不公平が生じるため以下の計算方法になります。

(相続開始時の財産の価額+特別受益額)×法定相続分-特別受益=特別受益者の相続分

①5,000+500=5,500万円

②法定相続分により配分長女、次女共に2,750万円

③長女について500万円を差し引く長女2,250万円

④被相続人の遺産5千万円について長女は2,250万円、次女2,750万円

寄与分について

共同相続人の中に、被相続人(亡くなった方)の財産の維持、増加について特別の寄与をした場合にその相続人を優遇するためのしくみです。

例 被相続人(亡くなった方)の相続財産が5,000万円で長男と次男が相続人

長男は会社経営をしていた父を無償で手伝い会社の業績拡大に貢献した。寄与分は1,000万円

指定なしの場合、それぞれ2,500万円ずつの相続となりますが、事業拡大に貢献した長男に不公平が生じるため以下の計算方法になります。

(相続開始時の財産の価額−寄与分)×法定相続分+寄与分=寄与分のある者の相続分

①5,000万円-1,000万円=4,000万円

②法定相続分により配分 長男、次男共に2,000万円

③長男について1,000万円をプラスする 長男3,000万円

④被相続人の遺産5千万円については長男は3,000万円、次男は2,000万円

寄与分は原則として共同相続人の協議によって定めます。

 当事務所の遺産分割協議書の作成について
報酬額は70,000円(税別)~となっております。
※遺産分割協議が揉めている場合は受託は出来ません。

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